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26 April

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22 July

浴衣と共に招かれたのは


 夏といえば祭り!祭りといったら浴衣!

 と、いうわけで浴衣を着る黒の騎士団の話。ギャグです!



 追記よりどうぞ。




 その日黒の騎士団の下へ、新たなナイトメアと共に巨大な箱が届いた。

 ゼロの指揮の下慎重に開かれたその中身は、多種多様、色とりどりの浴衣だった。そう、消えてしまった日本文化を少しでも楽しめるように、という京都からのご厚意だったのである。
 浴衣など見たのは何年ぶりだろうか。まさかその頃には、こんな珍しい物になるとは夢にも思わなかっただろう。それぞれの思いを胸に、好きな浴衣を手に部屋を出る人々の顔は自然と綻んでいた。
 完全に更衣室と化した会議室と食堂が開け放たれたとき、人々は顔を見合せ、笑い合った。まるで、ここだけは提灯のともる神社かのようだ、と。


 そんないい雰囲気の中、カシュッと扉の開く音がした。


「ふむ。みんな、よく似合っているじゃないか。」

「「「ゼロ!」」」


 ああ、京都やゼロに感謝しなければ・・・・・・そう思ったのを、まさか次の瞬間後悔するとは誰も思わなかっただろう。
 そう、まさかゼロの方へと振り向いた瞬間に。



「「「・・・・・・」」」



 誰も喉から声が出なかった。いや、出せなかった。



 いや、だって。あのゼロが、


 日本最大級のテロリストゼロが、


 あのヘンテコ仮面の不審者ゼロが、




 女物の浴衣を着ているんです!!





  浴衣と共に招かれたのは
―この世のものとは思えない光景でした―
 




 紫と黒のグラデーションの、美しい生地に飛び交う光と青の蝶。そのふわふわとした袖口や首元から見えるのは、対照的な白雪。かっちりと帯を締めた腰は誰よりも細く――この世のものとは思えない美しさが、そこにはあった。そう、首から上を見なければ。いや、それもある意味この世のものとは思えないが。


「「「・・・・・・」」」


 ああ、絶句とはこういうことをいうのかとみんなして明後日の方向を見るものなので、ゼロが思わずその方向を見ては首を傾げている。こてんっと。シュールである。
 何故、ゼロは何も疑問に思わないのだろうか。ああ、日本人じゃないからか。それにしても、他の人を見れば察しそうなものだが・・・・・・意外とゼロは鈍いのだろうか。

 遠い目をし続ける幹部たちの中、最初に復活したのはゼロなら何をしてもいい親衛隊長だった。
「ぜ、ゼロ・・・・・・何でその浴衣にしたんですか・・・・・・?」
 実は女性だったんですか?と尋ねる彼女の普段の勢いはどこへいったのか。いや、それもそうだろう。敬愛するゼロが、実は女装狂だとしたら立ち直れない。いや、それどころか黒の騎士団崩壊にまで発展しかねない。ああ、何故こんなことで黒の騎士団崩壊の危機が迫らなければならないのだろう。それも、リーダー自身の手によって。

 そんなみんなの心中に気づきもせず、仮面の男は新たな爆弾を落とす。


「いや、ゼロ用と書かれていたから着たまでだが・・・・・・何かおかしかっただろうか?」




 桐原公ーーーっ!!!何やってるんですか!!




 幹部たちの心の叫びが人知れずハモった瞬間だった。




おまけ↓


「ゼロ様!」

「神楽耶様!何故ここに・・・・・・」
「え?えっと、ゼロ。彼女は・・・・・・」
「ああ、表立って動いてはいないから知らないのか。紹介しよう。彼女は京都六家の現当主、皇神楽耶様だ。」
「そしてゼロ様の妻となる者です。よろしくお願いしますね!」

「「「はい?」」」

「あ、あの、神楽耶様・・・・・・?」
「いやですわ、昔のように神楽耶、とお呼び下さいな。」
「・・・・・・後で私の部屋まで来ていただけますか。」
「あら、話が早いですわね。」

(((一体二人の間には何が・・・・・・)))

「それにしてもよかったですわ、よくお似合いで。その浴衣、私と桐原で選んだのですよ?」

(((あなたが原因か!)))

「ありがとうございます。神楽耶様も着られたらどうですか?とてもお似合いになると思いますよ。」
「まあ、あなたには負けますわ。本当に仮面を外せないのが残念です。早くあなたの美しいお顔を拝見したいのに。」
「神楽耶様こそ、成長なされてさらに美しくなられましたね。前は可愛らしい印象でしたが。」
「そういうゼロ様は背が高くなって、さらに格好よさに研きがかかりましたよね。前はそんなに変わらなかったのに、ビックリです。」
「私も男ですからね。」
「でも成長されても、相変わらず女装はお似合いですわ。」


「・・・・・・女装?」


「?ゼロ様は男性でしょう?」
「・・・・・・この浴衣は、女物なのですか・・・・・・?」
「ええ。男物は、そこのうだつの上がらない方々が着ているようなものです。」


「「「・・・・・・」」」


「・・・・・・ま、まさか知らなかったんですか?」
「・・・・・・スザクがな、俺はこれだって・・・・・・俺だけ特別だからって・・・・・」ブルブル
「まあ、枢木のお兄様にはお礼をしなければなりませんね。うふふ、久々に釘バットが唸りますわ!」

(((枢木スザクと何が・・・・・・?)))

「クソッあんのくるくる頭め・・・・・・今度全部引っこ抜いてクッションにしてやろうか・・・・・・」クルッ
「ゼロ、どちらへ?」(これ以上被害を増やさないで欲しいんだが・・・・・・)
「着替えてくる。流石に居たたまれない。」

(((ですよねー・・・・・・)))

(よかった、普通の感覚だ。)
(ヘンテコ仮面だけどな。)
(それは今言うな)

「あらゼロ様、着替えてしまいますの?とても似合ってらっしゃいますのに。」
「流石にこんな仮面の男の女装など、団員たちも見ていられないでしょう。」

(((全力で同意します。)))

「あら、仮面と不釣り合いなだけだと思いますよ。
 ・・・・・・そうだ!仮面なんて外してしまいましょう!」グイッ
「ほわあっ」カランッ



「「「…………」」」



「「る、ルルーシュ(君)!?」」




 この後、さらにもう一波乱あったのは言うまでもない。

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