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02 May

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10 July

向日葵咲く夏の日に

( ̄∀ ̄) <おだてCoCの続き来てるかなー?ついでにMMDギアス動画も覗こうっと
(・ω・;;) <ん?スザク誕多いな……?スルーしちゃったか?いつだ?

_人人人人_
> 今日 <
 ̄Y^Y^Y ̄

(((゜Д゜;)))



 というわけでスザ誕です。


・コードギアス小説
・2015年スザク誕生日
・スザクがジュリアスに振り回される話
・気がついたらアキト四章ネタっぽくなったけどネタバレはない……はず
・短い
・3時間クオリティ

 以上よろしければ、追記よりどうぞ!









「お誕生日おめでとう!!スザク君!」
 パアンッ、という破裂音に咄嗟に身構えると降り掛かる色とりどりの紙切れ。目を見開く僕に笑いかける大切な仲間たち。「もー、何してるの。早く入りなさい!」という会長の声を聞いて初めてこれらが僕に向けられたものだと気がつくと、僕は零れそうなほど大きく見開いた目を緩めて口を開く。
「ありがとう、みんな!」
 けれども心からの言葉はあたたかい談笑にかき消されることはなく、冷えた虚空に響いただけだった。
 ああ、いけない。仕事の途中だったのに。
 のそりと頭をもたげ、大きく伸びをする。一張羅に皺がついてしまったが、部屋に戻っている時間はない。元々デスクワークは得意ではないのに、どこかの誰かさんが問題を起こすものなので纏まった時間が取れなかったのだ。眉間の皺を伸ばしているとふと違和感を覚え机の上を見渡せば、前が見えないほどに積もっていた書類の山が綺麗さっぱりなくなっている。椅子から転げ落ちるように立ちデスクの周辺を探してみたが紙切れ一枚とて見つからない。
 もしや誰かが終わったものだと思い運んでしまったのか?慌てて扉に手をかけもう一方の手で胸ポケットをまさぐるが、いつまで経っても硬い感触は訪れず、おそるおそるポケットをひっくり返してみれば何一つ飛び出してはこない。血の気が引くのを感じながらぺたり、ぺたりと床を探るが、結局僕の指先が冷えるだけに終わった。
 まさか、と部屋を見渡せば、本来許可なく外出できないはずの彼の姿がない。余計な家具のない執務室には隠れ場所などなく、彼が扉の外に行ったことは明白だった。
 一度彼に荷物や引き出しを漁られてから、予備のカードキーは私室に隠してある。扉を蹴破るわけにもいかず、助けを呼ぼうと受話器を手に取り通信を繋ごうとするが、どちらもピクリとも反応しない。ああ、これは確定だ。彼は全力で脱走している。
 一気に体温が冷えるのを感じながら、大切な人の形見を手に取る。できれば、これは使いたくない。彼女を貶めて殺した彼なんかのために。僕は暫く手の中と睨み合っていたが、そっと口付けを落とすと携帯を空っぽの胸ポケットに入れる。後で怒られてしまうが、やはり蹴破ろう。
 助走もそこそこに地面を大きく蹴る。僕が足を繰り出したのと扉があった場所に見慣れた紫が現れたのは、ほとんど同時だった。
「どわっ」
 咄嗟に現れた彼へ抜き身の刀のような視線を向け、起き上がれないよう肩口を押さえつける。地面を這いつくばり呻く彼の無様な姿は、とても記憶を取り戻しているとは思えなかった。ならば何故今頃脱走したのだろうか?何故戻ってきた?僕を嘲笑っているのだろうか。答えを求めて視線を巡らせれば、視界に広がったのは鮮やかな夏の日の色。
「スザク、向日葵が綺麗だね」
 遠い日の亡霊が僕に呼びかける。聞いているだけで暑くなる蝉の声。一面に広がった黄色い絨毯。その毛足の間を縫って微笑む彼の顔は夏の日差しに照らされている。けれどもその顔は突如歪むと黒い仮面に覆われ、冷たい業火の中ゆらりと銃口をこちらに向けた。カタカタと震える僕の手にも冷えた硬い物が握られている。唇を引き結び赤く染まった指先で引き金を引けば、仮面は大きな亀裂を入れ割れたが中から現れたのはあの夏の日を共に過ごした彼と同じ顔をした愚かな道化だった。道化は彼の瞳と同じ紫水晶を揺らしながら不機嫌そうに眉を潜めると……
「痛っ」
 ぺしり、と軽い音をたてて弾かれ、僕の意識はようやく現実に戻ってくる。道化、いや探し人は大きく溜息をつと、僕の肩を押して「せっかく取り寄せたのに、台無しだ」とぼやきながらバラバラになった向日葵達を集め始めた。その背中はあの夏の日に見た彼の姿を彷彿とさせる。
「それ、どうしたの」
 聞きたいことは沢山あるのに、聞かなければならないことは沢山あるのに、真っ先に出てきた言葉はそれだった。呆然と立ち続ける僕に背を向けながら、彼は平然と僕の仕事を勝手にやって持って行ったことを白状したが、今の僕にはどうでもいい話だった。
 全ての向日葵を拾い集めると、彼は昔のように僕の肩を抱き室内へと誘う。導かれるまま元いた椅子に座れば、彼はあの夏の日のようなやわらかい笑顔で歪な花束を差し出した。
「誕生日おめでとう、スザク」
 震える指先で黄色い花弁に触れ、強く嫋やかで美しいそれを強く強く抱きしめる。
 聞いているだけで暑くなる蝉の声。一面に広がった黄色い絨毯。その毛足の間を縫って微笑む彼の顔は夏の日差しに照らされて、僕に手を差し伸べている。その手には冷たい拳銃も生ぬるい血液もない。
 皇帝陛下がわざわざ融通してくださったんだ、感謝しろと言う彼の声は過去とはかけ離れたものだ。だが、向日葵はあの夏の日と同じように、僕の冷えた心をあたたかく照らしていた。




  向日葵咲く夏の日に




<<2015/07/10 22:52 帰れそうで帰れない。そんなお話。
  3時間クオリティですみません。スザ誕に気がついたの19時でネタ出しもしていなかったんだ……。
  先週アキト四章を観てきたせいか、気がついたらアキトネタになっていました。
 本当はナナリーとかV.V.も出そうかと思いましたが、流石にややこしくなるので断念。
  次回こそはユフィを、ユフィを出すんだ……!パタッ

  このところ刀剣乱舞が熱いのでギアス関係の更新が減ったり記念日をすっぽかしてしまうかもしれません。
 なるべく更新したいとは思いますが、忘れていたら「あ、こいつ左文字の尻を追いかけ回してるんだな」と察してくださると有難いです_(:3 」∠)_>>


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