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23 November

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07 April

クロエとヒルダについて

 実は、私が亡国のアキト二章を見たときに少しドキリとしたのが、クロエとヒルダがアレクサンダType-2の起動テスト中にお喋りしていたシーンだったりします。


 追記はその二人についてあれこれ考えてみました。







 クロエとヒルダって、結構分かりやすくて純粋な子達だと思うんですよ。たとえるならばシャーリーのような。

 SEでも彼女達は合コンのメンバーにイレブン三人を指名していますよね。
 パッとしないし堅物とはいえ、オスカー・ハメル少佐とかもいるのに、メンバーが足りないから、ではなく純粋に格好良いよね!というだけで敵性外国人として差別されているイレブンを合コンのメンバーに選んでるんですよ、あの子達。
 人種だけじゃなく、ちゃんと人柄や物腰から判断しているんです。その間、人種のことは一言も口にしていません。


 二人だけでなく、wZERO部隊ではあまり日本人に対して差別しませんよね。wZERO部隊そのものがE.U.の実情の一つなわけですし、それを知った上で知人を送り出してきているわけですから、必然的だとは思いますが。

 けれど、彼女達は他の市民と同じように言っているんです。軍は公務員だからもっと楽だと思って入ったと。ボスがはりきっているから、私達もやらないと、と。これから死地へ司令や新たな日本人兵らを送り出すための兵器を急いで調整している最中にです。
 wZERO部隊の実情を知っていながら、彼女達にとってはあくまで「毎日の給料を稼ぐためのお仕事」なんですね。

 パリの人間が知らなくても、他人事ではありますからまあ分かります。(秘密部隊、となっていますからあまり一般には知られていない可能性もありますし。)
 他の部隊の人間からしたら、誰かが危険なことをやってくれるなら安全なところへ行きたいと思うのは当然です。イレブンが可哀想?ならお前が死にに行くか?と言われて首を縦に振れる人など、ほとんどいないでしょうから。彼らは日本人と接する機会もほとんどありませんしね。
 でも、彼女たちは違います。モニターでwZERO部隊の悲惨さを見ながら、日本人達と接してカッコいよね、と言い合いながら、その彼らの生死を左右することをしていながらあの台詞を喋っているんです。・・・・これがE.U.の人の実情なんだな、と私は認識しました。


 E.U.は首脳陣だけではなく、人々も変化を恐れ、目の前の幸せしか見ない。
 ブリタニアからの亡命貴族だって、ようは勝ち残りに負けて失墜するのを恐れ、だからといって勝ち残るための努力を嫌がった、現状にしがみついている人達です。(純粋に国是に反発した貴族もいるとは思いますが、基本的にはこれだと思います。)

 ナイトメアに至ってもそうですよね。失敗を恐れ、既存の物の劣化版しか作れない。新しい、ナイトメアに匹敵する技術を創り出したのはアンナだけです。そのアンナの技術すら、未だ成功例が少ないからか他の部隊には導入されていません。
 アンナは天才であると同時に、失敗を恐れない人だからこそ、さらに良い物を創ろうと研究を続けますが、他のE.U.の人は変化を恐れているが故に既存の物の改良すらできないんです。

 レイラもまた、様々なものに挑んでいますよね。上司にも意見をハッキリ言い、仲間に相談し、異例のことでも行って、少しでも良い方向にいけるように努力し続けている。
 戦場で指揮を執ったのも決して死にたがりなのではなく、同情でもなく、日本人の現状を少しでも好転できるように、という彼女の意志による挑戦なのだと思います。


 ・・・・レイラやアンナが珍しいのでしょうね。その彼女達も年をとって護らなければならない物が増えた時、変わらないままでいてくれればいいのですが。



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